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好きな人が自分のそばにいてほしいとか、彼との距離を少し縮めたいと思っているときには、言葉巧みにアピールするよりも、もっと効果的な方法があります。 人は、強い不安にさらされているとき、親しい人と一緒にいたい、話をしたいと願うものですが、これを「親和欲求」と呼ぶそうです。
夏の夜にお化け屋敷に一緒に入るとか、ジェットコースターに一緒に乗っても、不安心理や恐怖心理が強まって、物理的距離が一気に縮まることもあります。 また、二人が初めて経験するような場所へ行ってみるとか、あるいは経験したことがないような体験学習などを一緒にすれば、お互いに要領を得ないため不安心理が醸成され、親和欲求によって二人の結びつきがさらに強まるかもしれません。
アメリカのシャクターという心理学者が、不安と親和欲求の関係を知るために、面白い実験をしました。 これから電気ショックの心理学的効果を調べる実験に参加してもらうことを前提に、一部の人には、電気ショックを受けたときの危険性や不快感や痛みがあることなどを説明し、残りの人たちには、強い不安感を与えないように、「肌を傷つけたり、直接人体に影響を及ぼすことはありません」というような説明をしました。 そのあとで、実験の準備をするまで控室で待っていてほしいと伝えたのです。 「個室の部屋で待たれてもよいですし、実験仲間がいる大勢の部屋で待たれてもいいですよ。どちらの部屋を選択してもいいですから、どちらかの部屋でお待ちになってください」と説明しました。 すると、不安をあおったグループの人は、不安を与えなかったグループの人よりも、仲間のいる部屋を選択する人が、2倍程度多かったようです。
もうお気づきかもしれませんが、この実験は「強い恐怖におそわれたとき、人間は誰かと一緒にいたいと願うのか、否か」を調べるための実験です。 この結果からお分かりのように、人は不安になると親和欲求が高まりますので、もし彼が責任のある仕事を任されて重圧を感じていたり、不安な気持ちを抱いているようなら、積極的にコミュニケーションを図るタイミングでもあります。 |
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