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恋の始まりを予感させる心理のまとめ


恋の始まりには、誰かを思って一日中、心をときめかせたり、目の前のことが手につかなくなったり、誰しもそんな、ドキドキするような体験があるはずです。

ときには片思いや失恋に心を痛め、「もう恋はしたくない」と思っても、いつの間にかまた落ちてしまう。それが恋愛というものです。

★ここでは、恋の始まりがわかる心理学について、まとめて紹介しましょう。





恋の予感@:恋は第一印象でほぼ決定


★恋の始まりを予感させる1点目は、第一印象でほぼ決定されますので、恋の種まきは出会ったときが勝負であります。

誰かと恋に落ちてみたい、でも自分から声をかける勇気はない、誰かが好きになって、ドラマみたいな告白をしてくれないかな、などと思っているようでは、恋の始まりは訪れないかもしれません。

ですが、そんな消極的な人向きの「恋の種まき」の方法としては、初頭効果を利用するといいでしょう。初頭効果とは、初めて会ったときの第一印象が、その後の全体の印象を決めてしまうことをいいます。

ある心理実験で、一人の人に二通りの人物を演じて、それぞれ二つのグループのなかで話をしてもらいました。

一つでは、「あたたかく、好感の持てるふるまい」、もう一つでは、「冷淡で、横暴で、口やかましいふるまい」をしてもらったのです。すると、後者のほうを演じたグループの被験者は、その人物について「容姿やクセ、言葉のなまりなどがカンに障り、好ましくない人だ」と評しました。

容姿、クセ、なまりなどは、どんな人物を演じていても変わらないはずですが、被験者たちは、「そこが好きになれない」と指摘しました。一度悪印象を持たれると、すべてが嫌われてしまうということです。それほど、初頭効果は印象強いものなのです。

さて、恋に消極的な人は、まずは第一印象をアピールしましょう。初頭効果で「魅力的な異性」だと評価されれば、それが恋愛へと発展する可能性になります。新しい出会いのすべてに、恋の可能性があるのです。



恋の予感A:ドキドキ体験は恋と勘違いしやすい


★恋の始まりを予感させる2点目は、恋に発展させやすい方法として、不安感と高揚感を与えるドキドキ体験をさせて、恋と勘違いさせることです。

恋愛にモチーフにした不朽の名作『ロミオとジュリエット』がありますが、一族に反対され、引き裂かれそうになった二人は、永遠の愛を貫くために自ら命を絶ってしまいます。彼らは、なぜこんな純愛を交わすことができたのでしょうか。

その理由を解くカギとなる実験があります。カナダの心理学者ダットンとアロンが、二つの橋を使って実験を行いました。一つは深い谷にかかった足下が危ない吊り橋、もうひとつは浅い小川にかかった頑丈な橋。どちらの橋のたもとにも同じ女性を立たせ、そこを渡ってくる男性に電話番号を書いた紙を渡すというものです。

この結果、不安定な吊り橋を渡り終えて番号を手にした男性は、半数がこの女性に電話をしてきたのに対し、頑丈な橋のほうはわずかだったということです。

これは、橋を渡るときのドキドキした興奮を、相手へのドキドキ感と錯覚してしまうからだとされています。これを錯誤帰属と呼ばれています。

この結果をあてはめると、ロミオとジュリエットは、「親の目を盗んで会っている」というドキドキが、相乗効果となってどんどん気持ちが高まっていったのだといえます。

身近な例では、スポーツと恋の関係です。スキーやテニスなど、スポーツは恋の花を咲かせるいい機会ですが、これは、運動したときの高揚感を、ともにプレーした相手へのドキドキとすり替えてとらえてしまうために起こるようです。


恋の予感B:いつも見かける人が気になる理由


★恋の始まりを予感させる3点目は、いつも見かけていると、相手を好きになったり、気になったりするのものです。見慣れるうちに、相手が心に浸透するからです。

いつも見かけているけれども、話したこともないし、どこの誰ともわからない。そういう対象の人は誰にでもあるでしょう。

たとえば、通勤や通学に使う電車で、毎日同じ車両に乗り合わせる人、行きつけのレストランやカフェで、よく見かける常連さん、いつも行くスーパーやコンビニの店員さん、などです。

そんな「知っているけど知らない、見慣れた他人」のことをファミリア・ストレンジャーと呼ばれています。

アメリカの心理学者ミルグラムの調査では、通勤電車の利用者には、一人当たり平均4人のファミリア・ストレンジャーがいることがわかりました。そして、そのファミリア・ストレンジャーに関心を持っていることが明らかになっています。

いつも見かける人だから、会話を交わしたことがなくても、身近な存在だと感じているのです。しばらく見なければ「具合でも悪いのかな」と気になります。本を読んでいると「あの作家が好きなんだ」と興味が湧きます。その関心が、「相手をもっと知りたい」という気持ちのもとになることもしばしばあります。

恋人になったきっかけは、「通勤電車で声をかけたのがきっかけ」「よく行く店で相席になって」などということがよくありますが、それは偶然でも一目惚れでもありません。ファミリア・ストレンジャーとして、相手の心の中にいつの間にか棲みついていたからなのです。



恋の予感C:思わずポーッとなる後光効果とは


★恋の始まりを予感させる4点目は、ひとつでも優れたものがあれば、そけだけで思わずポーッとすることがあります。

恋は突然やってくるものです。ゴルフやカラオケの見事な腕前に思わずポーッとなったとか、すれ違った女性の美しい横顔に一目惚れをしてしまったとか、そういうことはいくらでもあります。

このように、一つの優れた特徴が、相手の全体評価に結びついてしまうことがあります。スポーツや歌が上手だったり、容姿が美しかったりすると、まるでその人自身が素晴らしい価値を持った人のように感じてしまうのです。

これを後光効果(ハロー効果)といいます。その人から後光が射しているような効果をもたらす、ということです。

たとえば、ブランド品に身を包んでいるとか、家柄がいい、裕福な家庭に育っている、などの条件も、強力な後光効果になります。肩書きや職業もそうでしょう。

こうした後光効果が、恋のきっかけや始まりになるのは、必ずしも悪い子とではありません。どんな始まりであれ、誰かとコミュニケーションをとろうと歩み寄ることは、前向きで素晴らしい行動です。

ですが、自分が惹かれたその条件は、あくまでも相手の要素の一つに過ぎないことは忘れずにいたいものです。一番大切なのは、家柄でも容姿でもなく、その人自身の人柄なのだということを覚えておきましょう。


恋の予感D:なぜ自分と似た人を好きになるのか


★恋の始まりを予感させる5点目は、自分と似た人を好きになるもので、それは、自分との釣り合いを探しているからです。


人はなぜ自分とどこか似ている人を、好きになったり、惹かれてしまうのでしょうか。それは無意識に自分と釣り合う相手を探しているからです。

「あの二人は似た者同士だね」といわれるコンビがいます。性格や外見など、同じタイプの二人がコンビを組んだり親しい友人になるのは、よくあることです。クラスや職場、サークルなどのグループも、よく観察すると同じようなタイプの人たちで構成されているようです。

友人やグループだけではありません。恋愛関係にある二人も、似た者同士であることはよくあります。これは、人は自分に似ているところのある人に惹かれる傾向があるからです。無意識に自分に釣り合う相手を選んでいるのです。

これはマッチングセオリーと呼ばれています。

趣味や食べ物の好み、ファッションの好みなど、自分と似ている人に対しては、親近感を覚えますし、「話をしてみたい」という気持ちも生まれます。これが、「好きになる」一歩である、つまり恋が始まることは非常に多いのです。また、性格や価値観、ものの考え方や経済感覚が似ている二人だと、すれ違いも少なく、すれ違ったとしても修復が容易に行えます。

その結果、ケンカの一つひとつが「雨降って地固まる」となり、強い信頼関係を築いていけるようになります。基本的なところが似ているのですから、わかり合うのも困難でないのは当然かもしれません。

周囲にいる「なんとなく自分と雰囲気が似ている人」をもう少し観察してみましょう。恋のきっかけが潜んでいるかもしれません。



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