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★育ってきた環境も無視できません。むしろこちらのほうが、相性よりも合う合わないの面では重要といえるかもしれません。 育った環境は相性以上に大きく影響をします。 大富豪の家に生まれたか、貧乏人の家で生まれたかは、たんにお金があるなしの問題ではなく、その人の全人格を左右するものでしょう。
まず、受ける家庭教育の違い、知り合っている人間関係の違い、親のしつけの違い、などから、思想信条から哲学的な問題も含め、すべてにおいて相当の違いがあるはずです。 これらは、極端な例としてあげましたが、一般の人でも、どのような環境で、どんな親から、どのような教育を受けてきたかで、結婚観、人生観も違ってきます。 ★つまり、育った環境によって性格、気質が形成されるのです。 相性とは「性質の合うこと」ですから、育ってきた環境が分かれば、おおよその見当がつけらます。
★これを判断するには、親の職業を見るのが手っ取り早い方法です。 どの職業とどの職業の組み合わせがいい、悪いかは、単純にはいえません。医者とお坊さんの家系が一緒になるのはいいかもしれません。大学教授の娘と大工の息子が、相性がいいこともあります。 その辺は具体的に当たってみないと、何ともいえません。ただ育ちの違いは、生活習慣やものの考え方の違いになって表れてくるので、かけ離れた場合は、よく吟味してみることが大切です。
★具体例に問題として出てくるのは、まず双方の家の収入です。 両家の一万円、一円の重みといった金銭感覚が似ていれば、うまくいくでしょう。 ★もう一点は、双方の父親のライフスタイルです。 「私の父は酔って帰ったりしなかった」「私の父親は毎晩7時に帰って、みんなでご飯を食べたのに」といった食い違いが、あとあと意外に問題になってくるものです。
この一番の問題点は、食生活の差となって出てくるはずです。日本茶とコーヒー、味噌汁とスープ、納豆とキムチは絶対に食べない、など食べ物のうらみは深刻です。
★和風の家で育ったか、洋風の家で育ったかによって、二人で築く家庭の基本的な構図に大きな違いが生じてきます。 和風の家で育った男性は、多かれ少なかれ日本文化の伝統を、いろんな面で受けついできていると考えていいでしょう。 着物を着る習慣。正月の過ごし方、冠婚葬祭への対応など、いわば日常生活のこまごまとした事柄が、洋風の家庭で育った男性とは大きく違っています。 戦後の日本の家族形態は、核家族に代表されるように、いわば無原則な和洋折衷型がほとんどなので、特別な家庭で育っていないかぎりは、あまり違いはありませんが、それでもそれぞれの家庭の習慣や性格によって、たとえばお風呂に入る順番だけは決まっているとか、父親の帰りを待って食事をするといった、その家庭固有の規律を少なからず身につけているものです。
★食生活も育った環境でずいぶん違うもので、基本は和洋折衷とはいえ、和風色が強かったか洋風色が強かったかで、新しいカップルが共同生活をはじめたとき、カルチャーショックを受けることがあります。 「ボクは刺身が大好きだ」 「わあ、気持ち悪い。わたしはお魚にさわったこともないのよ」 マグロは切り身で泳いでいると思っている子供もいる時代です。 魚好きの家庭で育った男が、そんな女性といっしょになったら、食生活の面では180度の転換を求められるかもしれません。もちろん逆の場合もあるでしょう。
もうひとつ礼儀作法もあります。 たとえば、親からきびしく礼儀作法をしつけられた女性と、自由放任型で育ってきた男性とでは、日常のこまごました部分で大きな食い違いが生じてきます。 やっかいなのは、どちらも「自分のほうが正しい」と思っていることで、まったく正反対の育ち方をしてきたような場合、両者のあいだに埋められない深い傷をつくることにもなりかねません。
結婚相手の選択を親がするとか、仲人を立てたときは、相手の育った家庭環境や家柄、職業、年齢といったものを考慮してくれますが、本人同士で決めるとなると、どうしても好き嫌いが優先して、他の要素はほとんど無視されます。 しかし、昔から「氏(うじ)育ち」というように、育った環境から得た価値観や習慣は、体にしみついてなかなか変えられるものではありません。 ★ですが、変えるのがむずかしいことだからこそ、はたして自分と合うのかどうか、事前にじっくりと考えてみることが必要です。 |
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