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ある朝出社したとき、髪が長かった同僚の女性がそれを切って現れたら、あなたはどんな声をかけるでしょうか。 たぶん多くの人が「失恋でもしたの?」と聞きたくなることでしょう。 それくらい、失恋⇒髪を切る、という話の展開は定番化していますし、実際に失恋後に髪型を変える人は多いようです。 この行為は、心理学的にはその人に「防衛機制」が働くためだとされています。 人は、不快なこと、都合の悪いことは、無意識に忘れようとしたり、違う形で解消しようとしたりします。そうした自分を守るために備えている防衛メカニズムの心理を「防衛機制」といいます。 この防衛メカニズムは、ありのままに受け止めると「苦しい」「つらい」「耐えられない」ような現実から身を守るために働きます。 ★髪を切るという行為は、そんな防衛メカニズムのひとつ、「逃避」という心理が働くからだとされています。これは、不安や苦痛を感じる状況から脱するために、別のことをして失恋という事実から逃れようとする心理です。 ブランドものの高い洋服を買い捲る、ヤケ食いをする。一人旅に出かける。それらも「逃避」の心理が働いてしてしまう行動です。 布団にもぐって一日中過ごす。深夜に泣きながら友達に電話する。そうしたちょっとした子供じみた行為は「退行」といいます。 また、「恋より仕事」と、がむしゃらに仕事に打ち込む。「きれいになって見返してやる」と、エステ通いやプチ整形に励む。こうした劣等感を他のことで克服しようとする行為を「補償」といいます。 どういう行為にせよ、それは自分の心を守るために、無意識に働く、とても自然な反応です。「心の健康」を保とうとするために行っている必死の行為なのです。 さて、あなたはどんなことをして、失恋の痛手を癒したことがあるでしょうか。
「人は自分と価値観の近い人を好きになりやすい」 これは、恋愛心理学の定説で、人は性格などが似ているよりも、価値観の近い人を好きになる傾向があります。 たとえば、食べることが大好きで、おいしいものを食べることが生きがいという価値観を持っている二人なら、確かに意気投合しそうです。 好きなことが同じなのですから、話が盛り上がらないわけがありません。互いに好意を抱きやすいでしょう。 ただ、その恋が長続きするかというと、話は別です。 ★実は、恋が長続きするカップルには特別な共通点があるといいます。それは「嫌いなものが共通している」ということです。 なぜ、好きなものより嫌いなものが共通していたほうが恋は長続きするのでしょう。 好きなもの、好きなことは時が経つうちに変わってしまうことがあります。 たとえば、味の好みが変わっても不思議ではありません。 「以前は、天ぷらは「天つゆ派」だったのに、今は「塩」以外は考えられない」とか。 好きなものの価値観は、うつろいやすいのです。 一方、嫌いなもの、嫌いなことというのは、子どもの頃の体験やトラウマなどがベースになっていることもあってか、なかなか変わりません。生理的なものが潜んでいるので頑固なのです。 つまり、嫌いなものが一緒なら、長く共有できますので、それだけ長く絆を感じられるということです。ですから、嫌いなものが一緒ほど、恋も長続きする可能性が高くなるというわけです。そんな心理を「マイナス一致の感情効果」といいます。 もし、結婚も視野に入れている相手がいるとしたら、「嫌いなもの」「苦手なもの」を探ってみましょう。長持ちするかどうかのバロメーターになるはずです。
恋人たちの待ち合わせのメッカ、たとえば東京・渋谷のハチ公園は、そんな男女でいつも大混雑しています。 彼ら、彼女たちを観察していると、男女の微妙な差が見て取れます。 待ち合わせ場所に先に着いた男性が、思いを寄せている女性を待っている場合は、期待に胸をふくらませているので、それが態度によく表れます。そわそわと落ち着かないのです。 ★ですから、キョロキョロあたりを見回している男性は、それだけ女性にぞっこんだということがわかります。 一方、特に見回すわけでもなく、じっと待っている男性の場合は、現時点では相手にさほど興味がないか、あるいは、彼女を自分のものにしているという自信の表れだと思われます。 女性が待ち合わせ場所に先に着いた場合は、ちょっと違います。 ★女性は、思いを寄せている相手であればあるほど、姿勢をあまり崩さない傾向があるのです。というのも、いつ彼に見られても大丈夫なように気を使っているからです。 ですから、男性と違って女性はおすまししているほうが脈あり、彼にぞっこんのサインである可能性が高いのです。 待ち合わせの相手が特に気のない男性であれば、少しでも遅れると女性はイライラしてキョロキョロし始めます。 つまり、待ち合わせでは、気になる相手にとる態度は、男と女ではまったく正反対になりやすいです。
恋人やお世話になっている人にプレゼントしたいと思っても、どんなものがいいか、どんなものが喜んでもらえるか悩むものです。 「ヘンものを贈って、こちらのセンスを疑われたらどうしよう」 「あまり高いものだと相手に気をつかわせるし、かといって安物ではなぁ・・・」 そう考え出すと、なかなか決められません。 もし、プレゼントで自分という存在を相手にさりげなく意識させたいのであれば、選択肢はかなり絞り込めます。 それは、「実用的で、しょっちゅう使えるもの」がベストだということです。 ★心理学用語に「単純接触効果」というのがあります。これは「個体間の親密さは、接触回数、接触頻度が多ければ多いほど増す」という心理法則です。 人間関係で言えば、「顔を寄せたり、話したりする回数、頻度が増えれば増えるほど、相手に対しての好感度が上がる」ことになります。 クラスメイトと仲良くなったり、恋に落ちたりするのはそうした心理が働くからです。注目したいのは、この法則がものに対しても働くことです。 繰り返し使えば使うほど、そのものに愛着を感じるようになるのです。もし、それがプレゼントされたものなら、贈ってくれた相手の好感度をも上げることになります。 ですから、贈るなら「実用的で、しょっちゅう使えるもの」がいいというわけです。使うたびに、相手にはあなたの好印象が刷り込まれるのですから、これほど効果的なプレゼントはありません。 今は、スマホが手放せない時代ですから、スマホ関連の、たとえばおしゃれなスマホケースなどは「実用的で、しょっちゅう使えるもの」という条件にぴったりかもしれませんね。 さて、あなたは意中の人にどんなプレゼントを選びますか。
「あばたもえくぼ」とは、たとえどんなあばた顔であっても、恋をしている人間の目には「えくぼ」のように可愛らしく見えることをいいます。 フランスの作家で「恋愛論」の著者スタンダールが、それを「愛の結晶作用」と呼んだのは有名な話です。 誰かを愛したとき、人は世界のすべてが愛おしくなるような感覚を味わい、好きな相手のすべてを美化し、またその美点を拡大解釈していく生き物のようです。 ★深層心理学の生みの親であるユングは、男の心の奥底には「アニマ」という理想の女性像が、女の心の奥底には「アニムス」という理想の男性像があって、異性に恋をするとその理想像を相手に投影するようになる。だから、どんどん相手が理想的に見えてくるのだといいます。 よく自分の恋人が有名人の誰それにソックリだといって、周囲から苦笑いされてしまう人がいるのも、その人しか理想像を投影していないからなのでしょう。まわりの人は理想化して見ないので、「え〜、そうかなぁ」と首をかしげることになってしまうのです。 ★ですが、残念ながら恋は永遠に続くものではありません。いつかは終わりがやってきます。その兆しを感じるときが、実は「あばた」が「えくぼ」に見えなくなったときなのです。 それまで素敵に見えていた相手の顔に欠点を見つけるようになったとしたら、それは恋の終わりの始まりかもしれないということです。恋の魔法が切れかけている証拠です。 つまり、あなたの顔がえくぼに見えるか見えないかは、恋のバロメーターになるということです。 さて、今のあなたの目には、あの人はどう映っているのでしょう。
愛した分だけ愛されたい。恋愛中は誰もがそう思うものですが、そんな願望が強すぎると、せっかくの恋が破局してしまうこともありますので要注意です。 恋愛関係には、心理学でいう「最小関心の原理」が大いに働きます。 ★これは、相手に対する興味や関心の少ないほうが関係性をリードし、多いほうがリードされてしまうという法則で、俗に言う「惚れた弱み」というやつです。 惚れた弱みで、多少の無理を聞いてあげることはもちろん悪いことではありません。ただし、その関係性がエスカレートしてしまうと、無理をする側は精神的にも金銭的にも疲労し、不満も蓄積してきます。 一方、無理をさせる側は相手を見下したり、奉仕されるのに慣れてしまい、少々飽きがきて他の異性に関心が向いてしまったりします。 そして、結局最後には悲しい結末を迎えることになりがちです。 その点、長続きしているカップルはバランスがとれています。相手への関心度や想う気持ちのバランスが、うまい具合に釣り合っています。無理を聞いてあげることもあれば、聞いてもらうこともあるでしょう。 持ちつ持たれつ、どちらかが重たくなりすぎることもない。だから、長く関係を続けていられるのです。 ちょっと自分のほうが無理をしているな、感じたら要チェックです。 相手の自分への関心が低いなと感じたときは、無理にアピールしたり強要しようとしたりせずに、自分も少し恋愛以外のことに目を向けてみるのもいいかもしれません。 逆に相手の気持ちがエスカレートしていると感じたときは、ぎこちなく避けたりせず、素直に「無理をしないでね」「そのほうがお互いに楽だし」ときちんと伝えましょう。 それが恋を長続きさせるコツでもあります。
@ 「もう一軒行く? それとも、帰る?」 A 「帰る? されとも、もう一軒行く?」 あなたは@とA、どちらの誘われ方だったら「もう一軒行く」ほうを選ぶでしょうか。 どちらも似たようなものと思うかもしれませんが、心理実験では断然Aのほうが誘われやすいことがわかっています。 ★なぜなら、人には相手から言われた最後の言葉に引きずられ、そちらを選んでしまうという心理が働くからです。それを「親近効果」といいます。 つまり、@のように誘われると、「帰る」という言葉に引きずられて、誘いを断ってしまう可能性が高くなってしまうということです。 相手に「YES」という返事をもらいたいのなら、Aのように、相手に選ばせたい言葉を必ず後に言うのが鉄則だということです。 この鉄則を知っていれば、商談の場で相手に自分の望む決断を促すことも不可能ではなくなります。 「二度手間になりますが、次回になさいます。それとも、この際、今やってしまいます?」 そう言われれば、相手も「NO」とは言いにくくなるでしょう。 これは意中の人とのデートにも活用できます。 こり鉄則を理解していれば、次のような誘い方は愚の骨頂ということはもうお分かりでしょう。 「うちに寄ってく? それとも、帰る?」
遠距離恋愛はなかなか続かないものです。 続かない理由は、いくつも考えられます。 ・物理的な距離があるので、邯鄲には会えない ・たとえ会えなくても、時間や金銭的負担がかかる ・言葉のみでお互いを信頼し続けのは難しい ・ついつい、疑心暗鬼になりがち など、数え上げたらキリがありません。 心理学では、「カップルになったら、物理的距離が遠いほど結婚の確率が低くなる」という「ポッサードの法則」と呼ばれており、遠距離恋愛がいかに成就しにくいかがわかります。 ★物理的な距離が離れていたとしても、心理的な距離さえ近く保っていれば、恋愛関係は続けられるものだということです。 物理的な距離はもちろん重要ではありますが、それ以上に大切なのは、心理的距離なのです。 では、心理的距離を縮め、そして保つためにはどんなことが考えられるでしょう。 @ 公平理論 遠距離恋愛の維持には、お金と時間と労力が必要です。相手までの距離が遠ければ遠いほど、この負担は大きくなる傾向があります。 どちらかに負担がかかりすぎると、それが心理的な距離を遠ざけ原因にもなります。 それを防ぐために必要なのは、公平性を保つ「公平理論」です。 遠距離恋愛をうまく続けるコツとして、双方が公平に負担を分け合うことが重要なのです。肉体的負担、金銭的負担、時間的負担はやがて重荷になり、不満が心や頭の中で肥大化していき、破局の原因になります。 常に、双方が公平になるように努めることが、遠距離恋愛をうまく続けるコツです。 A 単純接触の効果(ザイアンス効果) 遠距離恋愛の最大のデメリットは、やはり会いにくくなること。会えない日が続けば、それだけ心の距離も遠ざかります。 それを打開するには、文明の利器を使って、「単純接触の効果」を働かせることです。ザイアンス効果とも言いますが、接触する機会が多ければ多いほど、相手に好意を持ちやすくなります。 今は発達したネット環境のおかげで、バーチャルで会うことは簡単になりました。LINEやスカイプなどの無料通信機能を使って、短時間でも多くの接触の機会を持てば、心の距離はじゅうぶん保てます。 B 返報性の原理 どんなにホットな恋をしていても、付き合いが長くなれば、心がすれ違ったり誤解が生じたりすることはあります。 近いところにいるのなら、すぐに会って謝ったり誤解を解いたりできますが、遠距離恋愛となると簡単にはいきません。遠距離恋愛は仲直りがしにくいのです。 そして、仲直りのきっかけがつかめず、「悪意の返報性」が働いて、売り言葉が買い言葉になり、そのまま破局になる可能性もあります。 遠距離恋愛で働かせたいのは、そんな「悪意の返報性」ではなく、「好意の返報性」です。 どんなに近しい間柄でも「ありがとう」という感謝の言葉を忘れないことです。また、「愛してる」とちゃんと口にする。それだけでも「好意の返報性」が働き、心の距離を保ってくれるはずです。 |
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